2024.09.11

ITで日本一進んだ酒屋を目指す!IMADEYAアプリの開発秘話をお伺いしました

【背景】コロナ禍でEC需要が高まる中、「IMADEYAアプリ」で若年層向けにお酒を普及させたい

【評価】開発担当者との直接のコミュニケーションや透明な見積もりで効率的な開発を実現

【成果】ECサイトのアクセスや若年層の利用数が増加。社内のデジタル化が進展し、IT先進の酒屋を目指す

一般消費者および業務用向けに酒類を提供する株式会社いまでや様の「IMADEYAアプリ」の開発支援事例をご紹介します。

「IMADEYAアプリ」は、酒類専門のオンラインショッピングアプリです。豊富な種類の日本酒、焼酎、ワイン、ビールなどを取り扱い、ユーザーは自宅から簡単に注文できます。アプリ内では、商品の詳細情報やレビューを閲覧でき、消費者の利便性を向上させることを目指しています。

アプリ開発にあたり、株式会社ハイストーリーをご利用いただいた経緯や開発を通じて感じたことなどについて、「IMADEYAアプリ」のサービス担当である内海秀隆氏にお話を伺いました。

株式会社いまでや 内海秀隆氏
株式会社いまでや 内海秀隆氏

株式会社いまでやの事業展開とDX本部の役割

ーー 株式会社いまでや様の事業内容と、DX本部の役割について教えてください。
内海氏:  株式会社いまでやは、「酒の魅力を今に伝え、未来に繋ぐ」を経営理念とし、千葉・都内を中心に6店舗並びにONLINE STOREでの小売、全国の飲食店約7000軒並びに海外輸出約20ヶ国への卸売事業を行う企業。日本酒蔵約200社、日本ワイナリー約80社、焼酎蔵約60社をはじめ、パートナーインポーターの協力を得て、世界各国のワインなどを取り扱い、その魅力を発信する酒販事業を展開しています。

また、飲食店向けのセミナーやイベントを開催し、自社熟成庫「IMADEYA AGING LABORATORY」を持ち熟成による付加価値の創造を進めています。

IMADEYA AGING LABORATORY
IMADEYA AGING LABORATORY


ーー 日本酒を熟成するというのは初めて聞きました!
内海氏: ワインの世界では熟成は一般的ですが、日本酒ではまだ新しい概念です。私たちのノウハウを活用して、熟成による価値を高める取り組みをしています。これにより、日本酒の魅力を広め、新しい楽しみ方を提案しています。

IMADEYA千葉本店 店舗風景
IMADEYA千葉本店 店舗風景


ーー 内海様が担当されているDX本部の役割について教えてください。
内海氏: 私の部署はDX本部で、部長を務めています。業務用の卸売や社内のDX改善を担当し、基幹システムの改修など様々なプロジェクトを推進しています。以前は「IMADEYAアプリ」を中心に担当していました。


「IMADEYAアプリ」誕生のきっかけ〜はじめての本格的なフルスクラッチ開発〜

ーー 今お話に出た​​「IMADEYAアプリ」を始められたきっかけを教えてください。
内海氏:当時電通で働いていた小島雄一郎氏(現・株式会社いまでや社外取締役)が、自宅の1階を店舗にする計画を提案してくれました。その内容は、日本酒に馴染みのない若年層向けに、「ここからはじめれば好きになる」というテーマで日本酒、ワインを100本をセレクトした「はじめの100本」という企画を中心に、店舗とEC、アプリの共同プロジェクトでした。現在は他のサービスと統合され「IMADEYAアプリ」として運営しています。

「IMADEYAアプリ」(はじめの100本※サービス公開当初の画像)
「IMADEYAアプリ」(はじめの100本※サービス公開当初の画像)

ーー 「IMADEYAアプリ」開発をハイストーリーがお手伝いさせていただいた経緯を教えてください。
内海氏: 2019年頃、コロナ禍でEC売上が伸び始めたため、EC開発に注力する動きがありました。フルスクラッチでアプリとPCサイトを作るプロジェクトがスタートし、小島氏の紹介でハイストーリーに依頼しました。要件定義から技術的課題の解決、ECサイトの構築まで全面的にサポートしていただきました。


開発担当者と直接コミュケーションを取ることで実現した効率的な開発

ーー 従来の開発会社と大きく違っていると感じた点はありますか?
内海氏: 従来は営業が調整役を務めることが多いですが、ハイストーリーでは開発担当者と直接コミュニケーションを取れる点が大きな違いです。また、見積もりの透明性が高く、どの機能がどれだけのコストがかかるかを理解できました。そのため、不要な機能を省いたり、簡略化する提案があり、適正価格で効率的な開発が実現しました。

ーー 見積もりについて高評価をいただきましたが、特にどういった点だったでしょうか?印象に残っていることがありましたら教えてください。
内海氏: 従来のパッケージシステムのような出来上がった製品を購入する場合、例えば同じテレビを電気屋とAmazonで比較する際に注目するのは価格のみです。
今回のようにフルスクラッチで開発する場合、その価格が適正かどうかを判断するのは複雑で難しいのですが、ハイストーリーの見積もりはどの作業がどれくらいかかるのかという詳細が明確でとても理解しやすかったです。

見積もりイメージ(どの機能にどのくらいの工数がかかるかを細かく記載)
見積もりイメージ(どの機能にどのくらいの工数がかかるかを細かく記載)

内海氏:コスト削減の方法としては、人件費を削るか作業を省くかの2つしかなく、人件費削減は避けるべきだと思っています。開発担当者と直接話すことで、どの部分の開発が複雑でコストがかかるのかが理解できました。また、不要な機能を省いたり簡略化するなど、コストを抑える方法をいくつも提示してくれました。これにより、適正な価格に調整することができました。


「IMADEYAアプリ」開発がもたらした期待以上の成果

ーー 期待していた点、また他によかった点がありましたら教えてください。
内海氏: 当時、全てが非常に印象的で期待以上でした。当時のアプリには、レビューを16タイプに分類する仕組みや機械学習を活用した診断機能が導入され、企画段階では無理だと思っていたことが実現できました。

フルスクラッチで初めて開発する会社にとって、要件定義で話した内容がこのような金額で実現できるのか、というのも期待以上でした。大手開発会社の数分の1の低予算でここまでのプロダクトを開発することができ、大成功のプロジェクトとなりました。また、テレビにも取り上げられ、認知度が上がるなど予算以上の成果をもたらしてくれました。

ーー リリース後の成果はいかがでしたか?
内海氏: 「はじめの100本」は当時NHKで取り上げられ、多くの人に知ってもらうことができました。実際の成果として、ECサイトのアクセスが増加し、年配の方が多かった利用者層に加え、若者や女性の利用が増加しました。
売上は統合プロジェクトと併せて1.3倍に伸び、コロナ前の2019年で16億円だった売上が昨期で82億円に達し、今期はそこから10.8%の成長を見せています。コロナが落ち着いても勢いは衰えず、アプリ開発を機に会社全体のデジタル化が進み、大きな成果を上げています。


システム開発の重要性を学び、IT先進日本一の酒屋を目指す

ーー 今回ご利用いただいた所感を教えてください。
内海氏: アプリ開発を機にデジタル開発が怖くなくなりましたね。今はITで日本一進んだ酒屋を目指しています。

システム開発は難しいですが、CTOの視点を持ち、開発の取り組み方を学ぶことでその意義を理解し、自社での開発を進められるようになることが重要だと思いました。

ハイストーリーと一緒に開発できたことで、大海原にポツンといるような感覚を持たず、共に学びながら進めることができると感じています。

価格だけで決めず、開発の背景やコスト発生の理由を学ぶことが重要です。このプロジェクトを通じて得た知識と経験は、自分自身の部長としての成長に繋がりました。

開発の難しさも経験し、担当者の変更にも柔軟に対応する力を養いました。この経験は他の方にもぜひオススメしたいです。

ーー CTO(最高技術責任者)の視点を意識されたことはありますか?
内海氏:「IMADEYAアプリ」を通じて、全てを外注するのではなく、自社でシステム開発することの重要性を実感し、開発金額の見方やエンジニアとのコミュニケーション方法を学び、CTOの視点を持つようになりました。

また、人件費を削るのではなく、エンジニアの意見を尊重しながら効率的な開発を目指す姿勢も学びました。このように、プロジェクトを通じて得た知識と経験を自社の成長に役立てています。

これらの経験を活かし、現在は自社で生成AIを使ってプログラムを作成し、部署内のメンバーにも教えています。


価格だけでシステムを選ばす、自社の強みを活かした開発を

ーー 私どものサービスはどのような方にオススメできそうでしょうか?
内海氏: そうですね、これまでに自分たちでシステム開発をしていない企業の方にオススメしたいです。自分たちも会社の風潮や慣習でこうしていたということを見直す良い機会になりました。

エンジニア中心の会社とプロダクトを一緒に構築することで、その動作体系やターゲット顧客について深く理解できます。

完成品しか購入したことがない場合、プロダクトの開発過程を知る機会は貴重です。開発の背景やコスト発生の理由を学ぶことが、自社の強みを活かすことにもつながります。価格だけでパッケージシステムを選ぶのではなく、一部でもカスタマイズして開発することをオススメします。

ーー 今後、私どもに期待することがあれば教えてください。
内海氏: システム開発の重要性を広めていただきたいです。日本の企業は外注に頼ることが多いですが、自社で開発できる範囲を増やすことが会社自体の力を伸ばしていくと考えています。ハイストーリのサービスを利用すれば、カスタマイズでの開発のメリットが理解できると思います。外注文化を減らし、自分たちで開発を推進する風潮を広めていただければと思います。


【取材協力】
株式会社いまでや
https://imadeya.co.jp/

【IMADEYA】IMADEYAアプリ お知らせ(ニュースリリース)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000065209.html