2025.01.28

新人でも迷わない!業務効率を向上させるチャットボット活用術

【背景】 膨大な業務マニュアルの中から必要な情報を特定し、社内業務を効率化したい

【提案内容】業務説明チャットボットを構築し、質問に対して社内資料を基にしたChatGPTの回答を提供

【成果】大量のドキュメントの中から必要なページを示してくれるため、新人でもすぐに情報を探し出せるように

梱包材を取り扱う製造業の企業において、生成AIを活用した業務マニュアル用チャットボットを構築した事例をご紹介します。

この企業では、1000を超える膨大な業務マニュアルが存在していました。そのため、新しく入社した社員がどのドキュメントを参照すべきか分からず、必要な情報を特定できない状況に陥り、業務が円滑に進まないという課題がありました。

開発の流れ

そこで、膨大な業務マニュアルの中から必要な情報を素早く特定し、提供するチャットボットを提案しました。このチャットボットでは、社員が質問を入力すると、ChatGPTが社内資料を基に回答を生成します。さらに、その回答に関連するドキュメント名やページ番号、関連画像も提示します。この仕組みにより、どのマニュアルに何が記載されているのかがすぐに分かるため、業務効率の向上につながります。

・要件定義
まず、想定される質問を整理し、それに対するAIの「理想的な回答」を作成しました。さらに、期待値を調整するため、最終的に目指すべき状態を一覧化し、相互確認を行ったうえで合意を得るプロセスを踏みました。

・開発の流れ
1.ChatGPTを使用して「理想的な回答」を生成し、期待値調整を実施
2.精度向上のため、「特定の部署のドキュメントに絞った」ベクトル検索を実施
3.検索結果には該当ページと、その前後1ページを提示
4.関連する画像も提示

今回のプロジェクトでは、「RAG(Retrieval-Augmented Generation)」技術を導入しました。RAGは、AIが外部情報や参考資料を取り込んで回答を生成する仕組みです。

ハイストーリーならではの工夫

チャットボットで使用するAIに社内のすべてのドキュメントを読み込ませた場合、膨大な量の情報から回答を探すことになり、実際にユーザーが利用する際に期待通りの回答が得られるかどうかが不明確になる場合があります。

例えば、資材について質問する際に、資材のスペックを知りたいのか、それとも会社内での置き場について尋ねたいのかなど、どのような回答を求めているのかを事前に明確にしておく必要があります。

そこで、ハイストーリーでは、ChatGPTを活用して「理想的な回答」を作成し、期待値を調整することに注力しました。このアプローチにより、最終的に目指すべき状態を一覧化し、回答の方向性を明確に定めることが可能になりました。その上で、相互確認を行い、合意を得るプロセスを踏むことで、最終的な結果に対する満足度を向上させることができました。また、対象範囲の絞り込みや関連情報の提案を組み込むことで、ユーザーが必要な情報に迅速かつ的確にアクセスできる仕組みを構築しています。

CTOの目線

この取り組みにより、新入社員でもすぐに活用でき、会社独自の業務効率化に繋がる業務マニュアル用チャットボットを構築する方法を提案しました。

CTO EYEsでは、生成AIの活用に関するご相談も承っております。

提案資料作成の効率化や品質向上、組織全体の営業力強化など、生成AI導入に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。